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レズビアンと簡単出会い

都内北部にある私のアパートは家賃9万、間取り1LDKのごく普通の部屋である。

今年3月、私の部屋の隣りに30代前半と思しき女性が引っ越してきた。わりと整った顔だちではあるものの、化粧気がなく、服装も地昧目。引っ越しの挨拶に我が家を訪ねてきた際も、どこか暗い陰を帯びていた。

「…あのう、隣りの201号室に引っ越してきた前田と申します。…これ、つまらないものですが」薄っぺらな箱を受け取り、私は礼を言った。

「わざわざすいません。困ったことがあれば何でも聞いてください」
「…はい…どうも」
なんとまぁ陰気くさい女よ。せっかく隣に女が引っ越してきても、これじゃまるで有りがたみがない。奇妙な出来事に遭遇したのは、それから間もなくのことだ。

夜、201号室から女性同士の話し声が聞こえてきた。

「そっかそっか、大変だったね」
声は風呂場の窓から漏れている。このアパートは全室、風呂の窓が通路に面していて、ときどきシャワー音などが響くのだ。前田ちゃん、さっそく彼氏を連れ込んで、イチャついているようだ。地味な顔してやりよるわい。

ところが次の瞬間、私はおやっと首をひねった。風呂場でセツクスでも始めねえかなぁと期待していたところに、先ほどとは別の女性の声が響いてきたのだ。

「ホントだよ。もうお腹減っちゃって」
「うん。わかったわかった。お風呂出たらご飯たべよ」
友達同士で風呂に入ることは普通にあると思うが、温泉や銭湯ではなく、小さな浴室ってどうだろう。フツー、どんなに仲が良くても、別々に入るだろ。もしや前田ちゃん、レズビアン?だから体を洗い合ったりしてるとか?勝手な結論が出た途端、私は自室に駆け込み、パンツをズリ下げた。やたらと妄想が膨らむのは、彼女の暗い雰囲気とねっちょりとしたレズプレイが、妙にハマっているせいだろう。

シコシコシコシコ、ドピュ。ふう~、トンでもないズリネタがやってきたものだ。Hしたい

どうも前田ちゃんは、恋人と同棲しているようだ。姿を見たワケではないが、例の風呂窓からひんぱんに2人の話し声が聞こえてくるのだ。
「ちょっと聞いてよ。今日ね、会社の上司に仕事のことで怒られたの。もうショックでさ~」「イャな上司だねえ。そんな会社やめちゃいな」「ホントやめたい~。やめよっかな」よもや他人に盗み聞きされているとはつゆとも知らず、2人は仲むつまじい様子を披露する。
どんな体制でどこをまさぐっているかはわからん。まさぐってないかもしれんし。でもそのつど、私はシコらせていただいた。想像力とはすごいものだ。
しかし人間、刺激になれるのは早い。やがて、私は風呂場での会話だけでは満足できなくなり、それ以上のものを求めるようになった。最高なのはもちろん、2人のレズプレイをナマで拝むことだが、それは望みすぎというものだろう。
風呂の窓から見えるのは、うっすらした人影だけだ。ならばせめて相手がどんな女なのか見てみたい。美人なのかブスなのか。それを知るだけでも、私の妄想オナニーは、一段も二段もリアリティを増すのに。
どうにかならんものか。本題はここからだ。
前田ちゃんの引っ越しから1カ月が過ぎたとある週末、アパート前の公園で彼女の姿を見かけた。天気がいいので日光浴でもしにきたのだろう。腕に茶色いうさぎを抱き、べンチにチョコンと腰掛けている。彼女は、背後にいる私の存在に気づいていない。声をかけようか迷っていたそのとき、彼女がうさぎの頭を撫でながら話し始めた。
「お外は気持ちいいねえ」そして再び彼女が口を開く。
ただし、今度は声色をガラリと変えて。
「うん、スゴく気持ちいい」な、なんと一人二役!この女、いっこく堂か、ヒツチコックのサイコか。
レズのいちゃつきだと思っていたのに、うさぎが相手かよ!自宅に戻った私は、冷蔵庫の缶ビールをあらいざらい飲み干した。

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2011年10月17日 | コメント/トラックバック(0) |

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